CMが作られるまで。②企画
続きです。
3月 広告代理店が、制作会社(プロダクション)へ企画を説明します。企画の段階では、ざっくりとしたイメージだけで話をします。なので実際の撮影に向けて監督にコンテを描いてもらいます。コンテは映像の全カットの絵で、このコンテを元に撮影準備をします。 が、その前に企業へ内容の確認に行きます。NGの場合はここで作業がストップし、地獄が始まります。 ネットに落ちていたauの演出コンテです。監督によっては、全カットの秒数まで書く人もいます。この頃から段々と残業時間が増えていきます。
CMが作られるまで。概要。 - 黃ガス
ここからようやく仕事が始まる感じです。
企画作業→コンテ作りの2段階です。
・企画作業
オリエンを受けた代理店の人が、予算を持って僕らに話を持ってきます。
なぜ僕らに仕事がきたかというと、プロデューサーと呼ばれる僕の上司が身を削ってお仕事をもらってきたからです。
肝臓と、お財布を痛めながら。
電通の人と飲み行ったらヤバかった、とかたまに見かけますが本当にそんな感じで制作会社のプロデューサーは代理店の人達とお酒を飲むのです。
ただ、この間の過労問題とかで、圧倒的にそういう催しは減りました。
企画の説明を受けたら、それを企業にCMの形としてプレゼンします。
4コママンガみたいにして、わかりやすく資料を作ります。
そこでやるのが
「資料探し」
「企画作成」
という作業です。
代理店のクリエイティブディレクターと呼ばれる人のイメージどおりの絵を、4コマにします。その為に、映像や雑誌からそれらしきものを探します。
例えば「美味しそうなパンケーキを映したい」の場合は、雑誌や画像検索などで資料集みたいなものを作ります。
「ムキムキのおじいさんが逆立ちで長縄に挑戦している映像」の場合はバラエティ番組とかCM、映画をいっぱいみます。
「いい雰囲気の森で起きているかっこいい自然現象」
が一番ヤバい。
いい雰囲気
→わからない。クール感じ?メルヘンな感じ?全部集めます。
かっこいい自然現象
→オーロラ?竜巻?間欠泉?全部集めます。
みたいなことをいっぱい調べて、それから映像を延々見る。
「こんなかんじですか?」
「違うよ〜もっとおしゃれな感じだよ」
「あーなるほど。これですかね。」
「おしいなぁ、もう少し広い画で、あるかなぁ。女の子が立ってると最高なんだけど。」
を繰り返して、ようやくきれいな企画書ができます。
テレビとかと違って、かなり体裁とか読みやすさを重視しているんですが、さすがに社外秘なので画像は貼れませんでした。
企画書ができると、演出(ディレクター)に演出コンテを作成してもらいます。
例えば、
「ダイエットのCMで、ビフォーアフターをかっこよく見せたい。周りは暗く落として、回転してビフォー→アフター的な。耳に残る音楽で。」
って発注があると、ディレクターはとにかく人(物)が回る映像を見たがります。
それをひたすら集めるのが制作の仕事なので、またひたすら資料探しをするわけです。
そして疲弊しきったところでようやく演出コンテ完成。
ここから撮影という大きな山を登るわけです。