CMが作られるまで。概要。
さて、CMが作られる過程を説明したいと思います。
CMを作っている人々
まずは、CMに携わる人々について、偉い順でご紹介。
偉い順というか、お金の流れ順です。お金出してる人が偉い。
1位:一般企業(クライアント)
めっちゃ偉い。くもり空を晴れにして、とか言うけど絶対断れない。誰も断れないので、先回りしてやんわりと釘を刺しておく事がCMのクオリティアップにつながる。
高学歴。温室育ち。CMについてすごく勉強していて、シュッとしている。
2位:広告代理店(エージェンシー)
偉い。企業からお金をもらって、TVCM枠を買う。最近ではSNSやニュースサイトの枠なども買うので振り分けがシビアで大変。
東大卒、元ラグビー部が多い。あとはテレビ局のお偉いさんの息子、企業の重役の親戚。理由はわからない。
3位: 制作会社(プロダクション)
偉くない。何でも屋扱い。広告代理店からお金をもらって、スケジュールを作ったり、スタッフに振り分ける。
例えばいい監督はギャラが高いけど信用があるからNGを食らいにくいとか、ゲームキャラのステータスみたいでちょっと面白い。
学歴不問、体力勝負、盛者必衰、満身創痍。
僕はここに属している。
4位:製作会社(ポストプロダクション)
大変。制作会社からお金をもらって、撮影した映像を編集する。
雨を晴れにして、女優のシワを消して、歌を上手にする。
基本的にコミュ障で、敬語。
銀のさらのCMであったけど、これで負担が一番大きいのはポストプロダクション。
会社組織としては以上です。
他にもCG会社、ロケ地探しのプロなどはプロダクションから発注します。
仕事の流れ
5月スタートのCMの場合。
1月
企業から広告代理店へオリエンテーションを行います。
予算、ターゲット、メッセージ、競合他社の動きなど、代理店に相談しつつ、CMの内容、オンエア回数を決めます。ここでのスケジューリングが甘いと、どんどん下位の人々が苦しんでいくことに。スタート地点ですが、この時僕は祈り始めます。徹夜はイヤですお願いします。
2月
広告代理店が、企業からの要望全てに答えたスペシャルなCM案をプレゼンします。予算ぴったり、ターゲットに刺さる、メッセージも完璧に伝わり競合にも負けないCMの歴史に残る斬新な表現です。そんなものはありませんが、あると言うのが広告代理店の仕事です。
3月
広告代理店が、制作会社(プロダクション)へ企画を説明します。企画の段階では、ざっくりとしたイメージだけで話をします。なので実際の撮影に向けて監督にコンテを描いてもらいます。コンテは映像の全カットの絵で、このコンテを元に撮影準備をします。
が、その前に企業へ内容の確認に行きます。NGの場合はここで作業がストップし、地獄が始まります。
ネットに落ちていたauの演出コンテです。監督によっては、全カットの秒数まで書く人もいます。この頃から段々と残業時間が増えていきます。
4月
撮影、編集を行います。基本的にはプロダクションがメインとなり、進捗を企業と代理店へ報告し進行します。150回くらい報告、連絡、相談をします。
ここでプロダクションの人は徹夜したり、急にいなくなったりします。詳細は次回。
5月
オンエア開始。おめでとう。スタート地点へ戻る。
次回はそれぞれ細かく説明します。